2017/05/27

And then you’re dead

セカンドライフ・サイエンスサークルの5月27日の講演はPaul Dohertyさんによる“And then you’re dead”でした。
Paul Doherty : PhD Solid State Physics MIT 1974 Tenured professor of Physics Oakland University 1974-1986 Teacher/Scientist The Exploratorium 1986-present. Founding director of the Center for Teaching and Learning at the Exploratorium 1992-1997 Adjunct professor of Physics San Francisco State University 1990-2006 director of the Exploratorium museum in Second Life 2006-present

会場はいつもの劇場です。画面では小さくて見えにくいですが、毎回装飾に凝っていて、今回は講演の最後に演者から会場設営を称賛する言葉がありました、

聴衆を見たところです。こんなテーマの割にはたくさん集まりました。


どんなお話かというと、ヒトの生存限界を調べるというものです。どんなダメージが人に死をもたらすかを過去の事故の例から探ります。ちなみにこのタイトルは演者の著書にも使われています。
講演後の質問の時間に、このタイトル"And then you’re dead"が北斗の拳のKenshiroのセリフに由来するのかを尋ねたところ、「知らない。違う」との回答でした。てっきりそうだと思っていたので意外でした。

スライドはブラックホールから飛来するx線の量を示します。

ロシアの粒子加速装置で発生した事故により頭部に76ギガボルトのビームを浴びて生存した例です



左はCERNが誇る大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider)のデータ、右がロシアの加速器のデータです。

2008年の事故では電気系統の障害により6トンの液体ヘリウムが流出、研究員は退避して無事でしたが一歩間違えは液体ヘリウムを浴びるところでした。

液体ヘリウムとはどんなものか

 液体ヘリウムの中に落ちれば皮膚との間に沸騰層ができます。しかし皮膚に直接触れれば全身を覆ってしまいます。


 もしヘリウムのガスの中で叫べば声は甲高いものに変わります。


 これはバナナの皮のすべりやすさの研究です。日本人物理学者のグループにイグノーベル賞をもたらしたものかを演者に質問したら、その通りとのお返事でした。

ナイアガラの滝からの落下に挑戦し生還したボビー・リーチと彼が乗った樽。


 鉄の棒が頭部を貫通して生存したフィネアス・ゲージ(WIKI)


 超音速で飛行中のジェット戦闘機から脱出して生還したパイロット。

演者が共著者となっている著書の紹介。


講演記録ビデオ


全スライドのPPTファイル

2 件のコメント:

  1. まるでギリシャの劇場を思わせろところですね。

    ケンシロウのあのセリフと同じでしたか。
    ブラックホールからもエックス線が出ているのでしたか。

    加速器はものすごいエネルギーを扱っているものなんですね、
    ヘリウムガスは知られていますよね。

    滝に入った樽や飛行機からの例といい
    よく生還できたと驚きます。

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    1. ケンシロウのあのセリフを知らないと言ってましたから、
      ひょっとしたら共著者のほうが知っていてわざとつけた
      のか、あるいは偶然か、ですね。
      この演者の講演は多岐にわたっていて、あたかも雑誌の
      ニュートンを読んでいるかのような感じがします。
      幅広い科学の知識をわかりやすく表現して伝えるという
      意味ではすぐれた研究者と思います。

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