そこで、まったく勝手にスクリーンが一面のものをM-VR、2面のものをW-VRと呼ぶことにしました。
M-VRはMono-screen Virtual Realityの略です。スクリーンが一面のVRのことを意味します。パソコンやタブレットの画面に表示させ、コントローラーやマウスの動きに合わせて360度全天周の画像あるいは動画を画面を操作することで見渡すことができます。
W-VRはDouble-screen Virtual Realityの略で、同じ大きさの2面のスクリーンに視差をつけた画像あるいは動画を表示させます。これをゴーグルタイプのビュアーで覗けば立体視となります。もちろんこちらも頭を動かすことにより周囲を見渡せるようにすることも可能です。
このように分けますと混乱を避け、理解が容易になります。
playstation-homeやセカンドライフなどはM-VRということになります。M-VRはスクリーンが1枚なので、容易にゲーム機やパソコンやタブレットの画面に映像を表示させることができます。複数の人間が同時に見ることも可能で、プロジェクターに出せば大人数での共有も可能です。googleのストリートビューも広い意味でM-VRと言っていいでしょう。
もちろん、M-VRの画面をゴーグル型のビュアーに2面同じ映像として表示させ、頭の動きをコントローラーにすることもできます。すでにスポーツや美術館など多数の記録映像も公開されています。
セカンドライフを運営するリンデンはセカンドライフとは別にSANSARというプロジェクトを立ち上げました。セカンドライフよりもさらに精緻な画面を目指すとともにゴーグルによる立体視も計画しています。この場合、M-VRとW-VRが共存することになるのかもしれません。さきに述べた記録映像とは違って短時間に左右別々のデータを再計算していくためサーバー側にもPCD側にも大きな負担は避けられないでしょう。
W-VRはゲームや建築や医療などの部門での実用化が進んでいます。大幅に伸びるとする市場規模の予測も出ていて活況を呈していますが、某ゲームメーカーのM氏は、「家族で楽しむにはW-BRは向いていない。ゴーグルは長時間のゲームプレーにも不向き」と発言しています。また、没入感が強すぎるとしてW-VR用の機器には年齢制限が設けられました。
これらのことを勘案すると、従来型のM-VRと近未来型のW-VRは共存するべきで、どちらが優位ということもなく、それぞれ利用者の選択に任せるべきではないかと思います。